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新郎新婦が、香港の街を舞台に名演技!!
2011.10.03
尖沙咀

新郎新婦が、香港の街を舞台に名演技!!


散歩日和の観光スポットで目にするもの! もちろん、圧倒的に多いのは観光客で、私もそのひとりだが、新郎新婦の写真撮影も多く、その堂々としたポージングにしばし見入ってしまうことがある。

映画「慕情」の舞台にもなった淺水灣 Repulse Bay(レパルスベイ)を見渡せる趣(おもむき)のある建物の前で、女性の腰にまわす手の指先にまで神経が行き届いている様子の新郎。その新郎に体をあずけた新婦の後ろにまわって、ウェディングドレスとベールを体裁よく広げるスタッフまで同行している。

真新しい観光スポットの「1881 Heritage(1881ヘリテージ)」では、お揃いのドレスに身を包んだ介添人たちに囲まれ、冷やかされながらも背筋を伸ばしてカメラに目線を送る複数のカップルに遭遇。人差し指の先と先を触れあわせて、通いあった心を表現しているふたり。植え込みのなかで抱き合い、カメラとビデオという2方向からの撮影に物怖じしない別のカップルなど、何組もの新郎新婦を一度に発見することができる。

「ザ・レパルスベイ」前の階段で

映画「ET」のように心が通いあった瞬間

ビデオとスチール、2台のカメラで撮影


香港の結婚披露宴では、会場のあちらこちらに新郎新婦の写真を飾ると聞いていたが、その一端を目撃することができたわけだ。
当日と同じ純白の装いで写真におさまるだけではなく、そのたびに着替えをしながら、眺めのいい場所や思い出のレストランなどでも撮影。顔の表情やふたりのポーズ、そして、背景の陰影も思い描いたとおりに決まった写真の数々を会場に並べるという。
そして、そのなかの1枚を、新婚家庭のベッドルームにも飾るというから、香港の若者たちの結婚にかたむける情熱が並々ならぬものであることが分かる。
「ウチの寝室には、畳1枚くらいの大きな写真があるわ」
結婚して10数年の私の友人の家でも、気合いのはいった結婚式の思い出が、いまでも大きな存在感を発揮している。

新郎新婦のチカラの入れように応えるように、親しい友人たちも、趣向を凝らした仕掛けを用意して結婚式を盛りあげる。当日の朝、新郎が花嫁を家に迎えにいく時刻に、新婦の友人たちが待ち構えていて、新郎が自分のパートナーになる女性のことをチャンと分かっているかどうかのテストをするのだ。
友人たちが1本ずつ髪の毛を抜き、そこに、新婦の分を1本まぜて紙に貼り、これこそが我が花嫁だと思う髪の毛を当ててもらうゲーム。
紙いっぱいに、新婦と友人たちの真っ赤なルージュのキスマーク! このなかから、一番大切な人のだけ選びなさいというテスト。
ほかにも、「初デートの場所は?」「彼女が誕生日に贈ったものは?」といったメモリアルデーを覚えているかどうかのチェック。
腕立て伏せを100回! できなければ、大事な友人との結婚を許すわけにはいかないといった体力測定もある。

もちろん、本気で反対するものではないホンのお遊びなので、しっかり逃げ道も用意されている。
それが、お年玉である。香港では、「利是(レイシー)」と呼ばれている。
答えを間違えたり、目標を達成できなかったりしても、ちょっとしたお心づけで見逃してあげるわけだ。
お年玉の金額の端数は、9ドルや99ドルにする。たとえば、4000ドルを包もうと思ったら、3999ドルにして「9」が増えるように工夫する。
数字の「9」は、永久の“久”に通じるといわれているのです

香港を経由して、ザトウクジラに会いにいく
2011.09.16
その他

香港を経由して、ザトウクジラに会いにいく


「韓国の仁川(インチョン)空港のように、日本の空港もハブに!」という発言を耳にするたびに、頭のなかにハブとマングースの戦いが浮かぶのは私だけでしょうか? 30年あまりも前のことになるが、1度だけ南の島で見たことがあるため、生々しい記憶として残っている。
ハブのつづりは「Hub」で、四方八方から1ヶ所に集まってくる自転車の車輪の中心のような存在だと調べはついていても、一瞬、ハブとマングースの死闘の様子が、頭のなかでフルスクリーンになるのを止められない。その一瞬ののちには、キャセイパシフィック航空の機内紙などで見かける運航路線図に画面が切り換わる。

香港は、見事なハブ空港だ。
ヨーロッパを旅した帰り道、体内時計にかけていた時差の負荷を解き、10時間を越える移動でたまったストレスを解消するために、香港で2〜3日過ごしてから帰国することがある。
香港を起点にして、バンコクへ行ったり来たり、シンガポールへ行ったり来たりすると、移動時間の短さに感激する。
オーストラリアまでザトウクジラに会いにいったときも、香港〜ケアンズ〜ブリスベン〜パース〜香港と、飛行機が巡回バスのような動き方をするのに驚いた。遠出につきものの妙なリキミが溶けてなくなり、楽な気分で南半球に降り立ったことを覚えている。

赤道に近い暖かい海で出産したザトウクジラが、子供の教育をしながら南極まで戻る姿を見ることができると聞いて、ブリスベンからフレーザー島を目指したのだ。数年前の9月のことだった。
フレーザー島は、100%が砂(すな)でできている世界で一番大きな島。特に、島の東側に一直線につづく白い砂浜は、圧巻そのものの120キロメートル! 難破船が横たわっているポイントもあって、人間ではない誰かが演出した舞台のように思えてくる。
どこで写真を撮っても、どこで360度のターンをしても、小型飛行機で俯瞰(ふかん)しても、映画のワンシーンのように決まる場所だ。

船とたわむれる2頭のザトウクジラ

ザトウクジラのスパイホップ


ザトウクジラ見学のためには、午前8時出発のクルーザーに乗り込む。沖に出てほどなくすると、あまり波立たない穏やかな海のあそこにもここにもザトウクジラを発見する。
クジラから300メートルのところに3雙(そう)の船がいると、それ以上の船は同じクジラに近づいてはいけないというルールがある。4雙目の船は、ほかのクジラを探すために方向転換をする。
そして、半径300メートルのところにいる3雙の船もエンジンを切るので、突然の静寂がおとずれる。耳にはいる音が、船の腹を打つ小さな波だけになると、300メートル離れていても、頭のてっぺんから吐く息や、胸ビレと海の水が触れあう音が伝わってくる。
そのあとは、クジラが自発的に近づいてきて、船とたわむれてくれることを祈るのみだ。小さな、でも、チカラのこもった声で、「Come on!」「Come on!」と必死のお願いをする人も数多くいた。

勢いよく泳ぎまわる若者もいれば、フジツボの飾りがたくさんついた年期のはいったクジラもいる。そして、お目当ての母と子も!! お母さんクジラが白いお腹を見せながらグルンと横転すると、すぐ横にいる子供が一瞬遅れて横に回転する。さまざまな動きを、くり返し真似をさせることで、我が子の教育をしているのだという説明があった。
頭から海に潜ったママが、直立した尾を海面にバーン!と打ちつけると、すぐ横でも、小さい尾がパンと海面を打つ。テイルスラップという行為だそうだが、この動きも10回20回と飽きずにくり返される。
その様子を、船のデッキの手すりに身をゆだねて眺めていると、目が洗われ、目の奥が洗われ、そのまた奥も洗われていくのを実感するのです。

My Favorite海南鶏飯(Hainanese Chicken Rice)
2011.09.01
その他

My Favorite海南鶏飯(Hainanese Chicken Rice)

翠華餐廳の「海南正宗文昌雞飯」

翠華餐廳の「海南正宗文昌雞飯」


「翠華餐廳(Tsui Wah Restaurant)」で見かけた「海南正宗文昌雞飯」を、ようやく食べに行くことができました!
50香港ドルから55香港ドルに値上がりしていて、半年前に無理矢理お腹に詰め込んでおけばよかったと、出遅れてチョッピリ損(そん)したような気分になった。
そして、ひとくち頬張った瞬間、新鮮で柔らかい鶏肉のおいしさに、(何故? 何故、もっと早く出会えなかったの?)と、あまりの出遅れに大きな損をしたような気分になった。

香港に向けて飛び立てない半年のあいだに、海南鶏飯のことをリサーチして情報が頭にたまっていた。募(つの)る思いが、味の評価を高くしているのかもしれない。すこし冷静になろうと首を振ってアタマを冷やしてから、また食べてみた。やはり、おいしい! しっとりした茹で鶏も、つけあわせのソースも、ほんのり鶏スープの味がするごはんも、おいしい!! 残さずにたいらげて満足した。 

「このつぎの香港では、海南鶏飯を食べてみたいと思っているの」
このことを香港に出発する前に口にすると、さまざまな情報が私の知りあいからもたらされた。
「シンガポール・チキンライスのことよね? ときどき、ランチに行くわ」
東京に「シンガポール 海南鶏飯」という店があることを教えてくれたのは神保町にある出版社の編集者。
「海南島は、中国のハワイと呼ばれているの。1度行ったことがあるんですけど、ホテルの人から鶏自慢を聞いたわ。文昌というところの鶏がおいしいんですって!」
海南島が心地良いリゾート地であることを知ったのは、旅行好きのご夫婦の話から。地図を広げると、島の一番東の端に文昌市を見つけることができる。
もともとは、海南省文昌市の文昌鶏という当地の名物料理であったこと。
1940年代に、海南島出身の人たちがシンガポールに伝えたといわれていること。
シンガポール、香港、ベトナム、タイ、マレーシアなどに広まり、人々に親しまれていること。
このような情報で頭がいっぱいになって出掛けたので、海南鶏飯がテーブルに置かれたときには、恋する文通相手にやっと会えた喜びで舞いあがってしまったのだ。

一度、海南鶏飯の世界に足をふみいれたら、今度は、香港の知りあいから、さまざまな情報がもたらされるようになる。
「私がいつも食べに行くお店を教えるね、カオルーン・シャングリ・ラの前にあるビルの2階にあるよ」
それは、「好時沙嗲(GOOD SATAY)」という名前だった。
「マンダリン・オリエンタルに泊まることがあったら、あのホテルのカフェコゼットも海南鶏飯がおいしいのよ」
豪華なホテルの中のレストランも、海南鶏飯を引き合いに出されてすすめられる。
それぞれがお気に入りの海南鶏飯があるようで、このあとも、「あらっ、海南鶏飯だったら、私は○○に食べに行くわ」という発言が続き、私のメモ帳には、あっという間に数軒の店名が並んだ。

好時沙嗲(GOOD SATAY)の「海南鶏飯」

好時沙嗲(GOOD SATAY)の「海南鶏飯」


まずは翌日、「好時沙嗲(GOOD SATAY)」を訪れてみる。
「好時中心(Houston Centre)」というビルはなんなく発見できたのだが、一樓(日本でいうところの2階)にそれらしい店を見つけられず、入りくんだ廊下をグルグルと1周してしまった。運よく通りかかった警備員さんに教えてもらい、正午の開店と同時に突入! 迷うことなく、海南鶏飯を注文した。
メニューには、「Tender poached chicken , garlic rice cooked with chicken stock , served with a clear chicken soup & three special sauces」と説明されている。
おいしい! ふっくらした鶏肉がおいしい! つけあわせのソースのなかに、緑色をした生姜の味が濃厚なものがあり、これがまた箸のすすみを加速させる。ガーリックたっぷりのごはんもパンチが効いていて、気がついたら若者のようにかき込んでいた。
あまりにも一心不乱に食べていた自分が、ふと恥ずかしくなって顔をあげ周囲を見まわすと、店内は満席! 広東語が賑やかな声で行き交っていて、観光客はどうやら私ひとり。地元の人たちで混雑する店に身をおいている満足感にも浸った。
最後に、ほどよく膨(ふく)れたお腹をかかえてお会計をすれば、ナント値段は38香港ドル! サービス料を加えても42香港ドルというサイフにやさしい支払いにも満足しながら店を後にした。

このことをさっそく、友人に報告する。
「気に入ってもらえて安心したわ。海南鶏飯がおいしいから、SATAYには週に1度は行きたくなるの」
香港の人たちには、海南鶏飯がおいしいか、それほどでもないかは、とても大切な基準のようだ。そのレストランを、他人(ひと)にすすめられるかどうかのモノサシになっているのではないかと感じるくらいだ。
私にもいつか、「海南鶏飯で一番のお気に入りは○○というお店よ!」と人にすすめられる日が来るのだろうか? まだまだ海南鶏飯の道に2歩踏み込んだばかりのニューフェースです。

花も団子も手に入れた103階の「チョコレート・ライブラリー」
2011.08.23
その他の九龍

花も団子も手に入れた103階の「チョコレート・ライブラリー」


香港の超高層ビルに初めて展望台ができたと聞いて、すこしのあいだ腑(ふ)に落ちなかった。
高くそびえ立つ建物の中から、何度も、対岸の景色がパノラマのように広がるのを楽しんだり、陽気な夜景を飽きずに眺めつづけたりしたことがあったので、展望台がすでにあったような気分になっていたのだ。
しかし、よ~くよく考えてみたら、いずれも飲食店!レストランかバーラウンジであった。

高層階から街を見おろしながら、食事ができたり、お酒が飲めたりするところは、その場所が高ければ高いほど人気を集める香港にあって、食べ物がメインではない展望台が珍しいのだという。
確かに、東京都庁45階の展望室や横浜ランドマークタワーの69階「SKY GARDEN」のように、眺望を楽しむためだけに設けた場所は見当たらない。
最上階の一番眺めのいいフロアを展望台にして、360度の眺望に興奮する日本のような発想は、香港にはないものらしい。

事実、いま話題の展望台「sky100 (スカイ100)」も、そのビルの最上階ではない。102階からから最上階の118階までを占めているのは、ホテル「ザ・リッツ・カールトン香港」なのだ。
香港島のほうにも、88階の「ifc」というビルがあるが、途中の55階に展望フロアが設けられている。それも、香港の人にたずねると、「このくらいの高さから眺めたほうが、景色として良いでしょう?」というコメントが返ってくる。
ズバ抜けて高いところでの食事は好まれるが、眺めとして良いと感じるのは、ほどほどの高さということなのだろうか?

そうはいっても話題の場所! 青空の日があったら100階までのぼってみようと思いながら、日本を出発した。
到着2日目。朝起きたときは曇天だったのだが、香港の友人とふたりでランチをとっている最中に、ホウキで掃いたように雲が取れていく。私は、展望台行きをつきあってほしいと申し出た。

「ふたりで300ドル出して展望台に行くんだったら、展望台よりもっと上に行ってチョコレートを食べましょう!」
この友人の切り返しには驚いた。
展望台への入場料は、ひとり150香港ドル。ホテルのカフェに行けば、同じくらいの支払いで眺めのいいティータイムを過ごしながら、思う存分おしゃべりができるので、そのほうがいいのではないかという提案だった。
根っからの“花より団子”体質の私は、チョコレートの誘惑に簡単に屈し、「ザ・リッツ・カールトン香港」のロビー階103階にお目見えした「The Chocolate Library (チョコレート・ライブラリー)」を目指すこととなった。

103階の「チョコレート・ライブラリー」から眺める香港島

103階の「チョコレート・ライブラリー」から眺める香港島

トイレの窓際にも長椅子が置かれ、記念撮影のポイントになっている

トイレの窓際にも長椅子が置かれ、記念撮影のポイントになっている

「チョコレート・ライブラリー」のアフタヌーン・ティー1人前238香港ドル

「チョコレート・ライブラリー」のアフタヌーン・ティー1人前238香港ドル


実は、100階までだって初めてだったのに、一気に103階にまで連れて行くエレベーターに乗るのは、生まれて初めて! エレベーターの扉の上のモニターに赤い数字が次々に浮かび、またたく間に「103」まで積みあがったので、間違いなく103階なんだろうと思うくらい高さへの実感が湧かない。
ホテルのロビー階全体とトイレに設けられた大きなガラスの窓の前に立って写真を撮る。おそらく高速で移動しているであろう船も、ビクトリア・ハーバーの真ん中で止まっているように見える。
鳥瞰図(ちょうかんず)のような景色に囲まれて、このあと3時間以上も私たちはガールズトークを繰り広げた。
極上のチョコレートやチョコレートを使ったケーキや焼き菓子を頬張り、ホット・チョコレートをおかわり! 笑い過ぎて横隔膜が痛くなったころ、眼下の街に夜の帳(とばり)が降りはじめていた。

はじめは、花より団子とばかりに入店した「The Chocolate Library」であったが、103階からの眺望という“花”も手に入れることのできる一石二鳥の場所。香港の友人の提案がなければ、こんなに早くたどり着けなかったかもしれないところ。感謝!感謝!おススメ!です。

そして、今回は訪れなかった展望台だが、このつぎの香港では足を運んでみようと思う理由がひとつ浮上している。
日本に戻ってから、「sky100」のホームページをのぞいたときのこと。PR用のキャラクターが、
「ストッキングでノドを潤す方法は?」
「いますぐスカイ100に来て、答えを見つけよう!」
という呼びかけをしているのを見つけて、首を傾げたのだ。
ストッキングでノドを潤す方法は、調べてみても謎が解けない。謎が解けそうな糸口すら見つけられないでいる。
この疑問を解いて胸をスッキリさせるためにも、100階展望台行きのエレベーターに乗ることが、次回の香港行きの課題のひとつです。

トッピングを選ぶ瞬間、女性の胸が高鳴るのは何故?
2011.08.01
その他

トッピングを選ぶ瞬間、女性の胸が高鳴るのは何故?


「許留山(ホイラゥサン)」で、アロエゼリーの上にスイカジュースを乗せた「西瓜蘆薈爽」をテイクアウト! 極太のストローをくわえながら街を歩くと、ま〜たまた香港に来ることができた喜びが体中に弾けて飛ぶ。

もともと、南の国々のスイカジュースが大の好物。だから一番初めはスイカジュースを飲みたくて、赤い地に金の文字という派手な看板に吸い寄せられて入っていったように覚えている。マンゴーやパパイヤの写真がはられていたので期待できると思ったのだ。
そして、壁のメニューを見上げて目を丸くした。
ひとつの器のなかに、ココナッツミルク+カエルの脂肪+ツバメの巣+白玉+マンゴーアイスクリーム。
マンゴープリンのまわりに、キウィや苺やメロンが山盛りになっているもの。
組み合わせの多様さ! トッピングの多彩さ! 香港の人たちの“食”へのよくばりが垣間見える。

「西瓜」の2文字を、ジュースの「粒粒蘆薈系列」のなかに発見! 「蘆薈」がアロエであることは知らないまま注文したのだが、上半分を吸い込むと清涼感あふれるスイカジュース。下半分を吸い込むと、トロトロしながら喉(のど)をヒンヤリ通過するアロエゼリー。思いっきり混ぜてみると、体の芯にまで爽やかさが到達するのを初体験! これが、香港に着いたことを実感できる味となったのです。

そして、この夏。香港の友人のすすめで、もうひとつ別の清涼感と私はめぐりあうこととなった。
「銅鑼灣(コーズウェイベイ)店は、SOGOの裏側。すぐ分かると思うよ、若い女の子たちの行列ができているから!」
フローズンヨーグルトの店「CRUMBS(クラムズ)」だ。
「上に乗せるものを自分で選ぶの。砕いたクッキーやマシュマロ、苺やバナナ、チョコレートやローストピーナッツもあって目移りしちゃうの」
ここも、10数種類のトッピングを用意しているのだ。

(香港の人たちは、ホントにトッピング好きだなぁ〜)と感心しながら店頭に立ったのだが、メニューを見上げた瞬間、キラキラと目が輝きはじめるのが自分でも分かった。あれこれ迷いながらトッピングを選ぶ楽しさに、またたく間にからめとられる。
この日はビギナーらしく、味の想像がつくマンゴーとグラノーラの組み合わせにしたが、このつぎの香港では、柔らかいフローズンヨーグルトとは食感の異なるもの、たとえば、小熊のグミやM&M’sのチョコレート、ライチやブルーベリーなどの果物を山盛りにしてみよう! ちょっぴり冒険することを決めている。

複数のものを前にすると、人は何故、選ぶことに熱をあげるのだろうか? 私たち女性のあいだで開く食事会では、プリフィクスのメニューと、トッピングを選べるデザートの評判が高い。
「前菜、メイン、デザートを、それぞれ3品のなかからお選びください」
メニュー表に落とした目は、おのおのが真剣そのもの。
「デザートに添える果物を、下記のなかから2つお選びください」
トッピングを指名するときは、黒目に星が輝く。

誰かと同じ組み合わせになると、気持ちが寄り添ったようで嬉しい! 誰とも組み合わせが重ならないと、自分の個性が際立ったようで嬉しい! どちらにせよ、笑顔だ。
料理の仕上げに手を貸したような、献立の決定にチカラを発揮したような、そんな気分になれるのです。