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香港|粋|灣仔|甲斐美也子のCool & Sleek Hong Kong~香港を粋に楽しむ|Fine Art Asia 2015(ファイン・アート・アジア2015)に行こう!
2015.07.30
灣仔

Fine Art Asia 2015(ファイン・アート・アジア2015)に行こう!

愛すべき骨董街と世界の美しいものが集結する
豪華で暖かみのあるイベントの立役者たち

昔ながらの骨董街であり、多くのギャラリーが並ぶエリアとして知られるハリウッドロード。素敵なディスプレイに見とれながらも、敷居が高くて入りづらい気がすることもありませんか?

「ブランド店などと一緒で、初めて入る時は確かに緊張するかもしれませんが、ぜひ気軽に入ってみてください。だんだん慣れてきますから」と話してくれたのは、ハリウッドロードに明や清王朝時代の中国家具を扱う骨董店を構える、二代目骨董商アンディ・ヘイさん。

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昨年は世界中から2万人以上が訪れた。春のアート・バーゼルと共に香港を代表する秋のアートイベントに。

アンディさんのもう1つの顔として知られるのが、2015年10月に10年目を迎える国際アートフェア「ファイン・アート・アジア」を育て上げた功労者であること。

「東西の文化や経済が融合するフリーポートである香港には、世界の素晴らしいアート作品が集まり、コレクター達が訪れるハブとしての役割が、すっかり定着しています」とアンディさん。
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ニューヨークと香港で25年以上の骨董商としての経験を持つアンディさん。風格ある中国骨董家具はもちろん、才能のある若手作家の発掘もしている。

「かつては客を待つだけだった骨董店も、インターネットが発達して情報が世界に行き渡るようになった今、どんどん顔を見せて、世界中からのコレクターと触れあう必要がある時代なのです」

アンディさんにとって、「ファイン・アート・アジア」は、世界のアートシーンでの香港の存在感を増すことはもちろんですが、自分のルーツであり、最近はレストランなどに取って代わられたりしがちなハリウッドロードの骨董店が、世界にアピールし存続していくための場としての意義もあるのです。

「さらに、一般の人たちが、世界中から集まった美術館レベルの芸術を見る機会を増やすことも大切な目的です。投資目的のクライアントばかりを扱うギャラリーではなく、作品に愛情と誇りを持ち、質の高い展示をしてくれる良心的ギャラリーを、国内外でじっくり探して声をかけています」

年々、世界各地からのギャラリーの参加が増えるとともに、嬉しい現象も。

単に呼び寄せるだけでなく、アジアのクライアントの嗜好を伝えるなどのサポートをするアンディさん。最初はおそるおそる香港を訪れていたギャラリーも、アジアに多数のクライアントが出来て、ついには香港にギャラリーをオープンさせることになるケースも頻発。

「先日はそうやって香港に住み始めたイギリスのギャラリーオーナーのお子さんが香港で産まれて、私が名付け親になったんですよ(笑)」

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子どもたちにアートを身近に楽しんでもらうイベントも会期中開催される。

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さまざまなレクチャーも開かれるので、スケジュールをチェックしておきたい。

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アンディさんが出展予定の18世紀の家具は、黄花梨の1本の大木からすべて造られた逸品で数億円の価値がある。

2015年のファイン・アート・アジアは、6つのカテゴリーに分かれています。1つ目はハリウッドロードの質の高い骨董店やギャラリーの90%が集まり、そこに世界の一流ギャラリーが加わる「アンティーク」。2つ目はレンブラントなどの古典派から、モネなどの印象派、ピカソなどのモダンアートまでを含めた「ヨーロッパ絵画」。3つ目は「ジュエリー、銀食器、時計」。4つ目が中国の「墨絵」。5つ目が「コンテンポラリーアート」。6つめがティファニーのステンドグラスなども含まれる「工芸品」。古今東西の逸品が分かりやすく網羅されています。

今年、出展予定の香港のギャラリーの中から、各分野を代表する3軒を訪ねてみましょう。

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大きな翡翠からくり抜いた37粒の翡翠の球(690.14カラット)に35粒のダイヤモンドと18Kホワイトゴールドを組み合わせたネックレス!

まずは「ジュエリー」では、中環のオフィスタワー内にVIP向けのショールームを構えるジュネーブ発祥の宝石商、ボゴシアン。すべてが一点物で、億単位が当たり前というハイジュエリーはとにかく垂涎の的。たとえば香港で愛される翡翠のネックレスも、ここでは非常に珍しい巨大な石から同じ大きさでくりぬいた球をつなげているため、完璧に色や透明度がマッチして、目を見張る美しさ!

非常に珍しいテクニックとしてボゴシアンが得意とするのが、宝石同士の「インレイ」。つまり、宝石をくりぬいて、そこに別の宝石をはめ込むのです。

1つのミスがあれば石自体が無駄になり、くりぬいた部分は使用できないという驚くほど難しく贅沢なテクニックですが、その組み合わせの妙によって生み出される魅力は無限大。

宝石には強い力があると言います。超絶の最高品質の宝石とそれを美しく生かす技術の結晶を眺めているだけで、たまらなくいい気分になってきませんか?

日頃は店頭では見られないような逸品を目にすることができるのも、アートフェアの魅力です。

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非常に珍しい鮮やかなオレンジのダイヤモンドを、別のダイヤモンドにはめ込んだリング(右)は3億円を超える価格。

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ボゴシアン香港のディレクター、レジーナさんは情熱たっぷりに1つ1つのジュエリーについて説明してくれる。

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今年出展予定の一品。天然の形状を生かし、直径20mmのボタン型パールとドロップ型との組み合わせが見事。


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カムティンのキャビネットに腰掛けるエイドリアンさん。

同じく自然の驚異の産物を生かした見事な作品によって、「工芸品」のカテゴリーにあてはまるのが、上環のPOHOにある88ギャラリー。20世紀の装飾芸術を中心に扱っています。

「ニューメキシコの鉱山で、さまざまな天然の色味や柄のターコイズを1つずつ選び抜いて散りばめ、石の間の塗装にもターコイズの粉を使っているのです」と教えてくれたのが、ギャラリーオーナーのエイドリアン・チョイさん。

この「カムティン」と名付けられたシリーズ、実は元朗に近い「錦田」の地名から来ているとか。棚1つで3億円以上というこの家具になぜ、香港の中でも田舎のイメージがあるエリアの名前が?

「実はこのシリーズは、私の家族が第二次世界大戦中に疎開した錦田で、大叔父が作りあげた家具の復刻版なのです」

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すべてが天然のターコイズ!色、形、パターンのバラエティとハーモニーに目を見張るばかり。

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スタイリッシュなカフェやショップの並ぶエリアにある88ギャラリー。

Mirror Goossens.jpg今年展示予定の一品は、ロバート・グーセンズが、シャネルのために作った鏡。1970年作。
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カムティンシリーズの中でも、華麗さが群を抜く、パイライト(黄鉄鉱)の天然の輝きを生かして作られたキャビネットも、今年度の出展作の1つ。

アートディーラーとして20年以上パリに暮らすお母様のバネッサさんと共に、パリ、ロンドン、ベルギーで88ギャラリーを運営するエイドリアンさん。

ココ・シャネルに愛された金属工芸デザイナーのロバート・グーゼンズや、現代美術作家のマーク・キャベルなどのコレクションに加えて、ギャラリーのオリジナルを、と考えた時に、このシリーズを甦らせることに。そして錦田の地名を冠することを決めたのでした。

40年以上も前に考案されたとは思えないウルトラモダンでユニークで贅沢なこの家具、ヨーロッパのオークションやアートフェアで素晴らしい評価を得ています。

ファイン・アート・アジアに何度か出展するうちに、多数のクライアントと出会い、ついに香港でのギャラリーオープンに至った88ギャラリー。ヨーロッパ育ちのエイドリアンさんにとっても、家族のルーツとの出会いが、自分自身の香港回帰のきっかけになりました。

1つ1つが違う表情を持つ天然素材ならではの圧倒的な美しさは、写真ではとても表現しきれません。ぜひギャラリーやアートフェアを訪れて、自分の目で見て感じてください。

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先日まで黄竹坑で開催されていた草間彌生展から。"Self Obliteration" 1966-1974。軽井沢、銀座のギャラリーと連動性がある場合も。すべて訪ねてみるのも刺激的な体験になる。

ファイン・アート・アジアには、もちろん日本のギャラリーも参加します。その代表格は、「コンテンポラリー」のカテゴリーで、香港でも知名度が非常に高い草間彌生を始めとする、日本発の「具体芸術」を世界に広めるために、長年多大な貢献をしてきた「ホワイトストーンギャラリー」。

銀座で同名のギャラリー、軽井沢で「ニューアートミュージアム」を運営し、2015年4月に香港の新アートスポットとして注目を浴びつつある黄竹坑に、海外初のギャラリーをオープンさせたばかりなのです。

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アートに囲まれた空間でいただく抹茶は、五感を研ぎ澄まさせてくれそう。

その「ホワイトストーンギャラリー香港」に同社会長の白石幸生さんを訪ねました。広々とした空間と、窓から広がる悠然とした山並みという眺望は、ここが賑やかな香港であることもしばし忘れさせてくれます。玄関口で靴を脱いでスリッパに履き替えた訪問者には、抹茶と落雁がふるまわれます。

「最初は中環にギャラリーをと考えましたが、納得の行く規模や立地を見つけることが困難でした。銀座のギャラリーがビルの奥にある『奥座敷』をイメージしているため、中環から見ると奥座敷にあたる立地の黄竹坑が思い浮かんだのです。靴を脱いだり、お茶を振る舞うのも、銀座と同じサービスなんですよ」と白石さん。

「世界中のアートフェアに参加しているからこそ比較ができるのですが、香港はとにかくアート取引に適した柔軟な社会制度と、世界中から、とくにアジア全域 からコレクターが集まりやすい立地に加えて、『社会人になったら、お金持ちになったら、心を惹きつけられる本物のアートを手に入れて、財産として大切にし たい』―そんなイギリスが残したアートへの感性や哲学があると実感したことが、ホワイトギャラリー香港のオープンにつながりました」


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上前智祐の作品と白石幸生さん。日本を代表する芸術家を育ててきた白石さんの香港進出は香港にとって朗報だ。

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窓の外には遮る物のない香港の山並みが広がる。

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アジアでは住居事情からか、小さめの作品が人気。今年、出展予定の草間彌生「かぼちゃ」は16cm×22cm。

オーガナイザーや参加ギャラリーの一人一人の思いや、作品への愛情、情熱を垣間見ることで、高額のアートをお金持ちが売り買いする場、という近寄りがたいイメージを持ってしまいがちだった巨大アートイベントやギャラリーを見る目が、私自身180℃変わって、次の出会いが楽しみでたまらなくなりました。

ぜひ秋のファイン・アート・アジアを訪ねて、お気に入りの作品があるギャラリーではどんどんスタッフに話しかけて、香港にあるギャラリーであれば、後日そちらも訪ねてみる―そんなアートの楽しみ方を発掘してみませんか?

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