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【食】

香港|粋|中環|甲斐美也子のCool & Sleek Hong Kong~香港を粋に楽しむ|SEPA(セパ)
2015.01.22
中環

SEPA(セパ)

驚異的なこだわりと、モダンなひねり。
まるで博物館のようなベネチア料理店
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SOHOの喧噪から少し離れたエリアにあるSEPA。紙と金箔を使ったベネチアの伝統的なマスクで作ったシャンデリア。

観光で香港を訪れるなら、食事の主役はもちろんチャイニーズ。でも滞在中、香港で流行中のレストランで各国料理を試してみると、国際都市・香港を全方向から体感することができるはず。

特にここ数年、香港でのヨーロッパ料理の発達には目覚ましいものがあります。その牽引役は、どんどん香港に流れ込んでいるヨーロッパ人たち。ヨーロッパから、職や新たなチャンスを求めてアジアに彼らがやってくると、当然手頃で美味しいレストランも増えますね。


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壁のポスターは本物のゴンドラの案内板。テーブルの脚は海に浮かべるブイになっていて、浸水の多いベネチアを表現するために、高い位置でグレーに変わっている。

せっかくだから「日本にあってもここなら行きたい! 日本にはなかなかない!」と言えるような、とっておきのヨーロッパ料理のお店を香港で体験したいもの。

今回紹介するSEPAは、2014年9月に、香港の中でも世界各地の料理を扱うレストランが集まるSOHOにオープンした、イタリア料理店――と言ってしまうのがはばかられるほど、徹底的に「ベネチア」を追求したお店です。

オーナーのジャコモ・マルゾットさんはもちろんベネチアの出身ですが、香港で金融業界からヴァレンティノのエリアマネージャーに転身し活躍後、独立。ご家族が有名ワイナリーを多数所有しているというユニークなバックグラウンドの持ち主です。

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こだわりのオーナー、ジャコモ・マルゾットさん。もちろんSEPAにはご家族のワイナリーであるカ・ネル・ボスコのワインがいろいろ置かれている。

このSEPAは彼のベネチアへの愛と情熱の結晶と言えるほど、尋常ではないこだわりをすみずみまで配して作られています。

 

「チャイニーズだったら広東や上海、日本だって東京や沖縄など、地方によって料理は全然違いますよね。それはイタリアでも同じで、正確に言えば『イタリア料理のレストラン』というのはイタリアにはなくて、地方ごとに特色があるんです。ですが香港にはイタリアの地方料理を謳った店がないことに気づき、SEPAのアイデアが浮かびました」とジャコモさん。

SEPAのコンセプトは新しい「バカロ・ベネチアーノ(ベネチアのバカロ)」。「バカロ」というのはベネチアならではの、ワインと料理が美味しい居酒屋風レストランです。ジャコモさんがSEPAの料理を任せるために白羽の矢を立てたのは、イタリアで最年少のミシュラン二つ星シェフというエンリコ・バルトリーニさん。ベネチアの伝統的な味を生かしつつ、モダンなひねりを加える柔軟な発想と実力に惚れ込みました。

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おかわりしたくなる風味豊かなウニのパスタ。Sea urchin spaghetti 188香港ドル。

海の商人の都市として栄えたベネチアの料理は、やはりシーフードの扱いが巧みです。実はウニは、ベネチアでも一般的な食材。ここSEPAでは、ベネチアの ウニとは風味は異なるものの、クリーミーな味わいが抜群の北海道産のウニと、海老の頭のリダクションに、ココナッツクリームも加えたソースと、固めのパス タを和えて、潮の香りに満ちた絶品パスタに仕上げました。他にもウナギやアンチョビなど、ひと味違うシーフードを使った料理がずらり。

いわゆる見慣れたイタリア料理ではない、ベネチアの地方料理にシェフの閃きが加えられているので、どのメニューも珍しく感じます。新鮮な食材が、繊細なハーモニーを奏でていて、日本人の口にとても合う料理です。

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ビーツでくるんだ鮪のタルタルにアンティチョークのソース、紫紫蘇を載せた爽やかで味わい深い前菜。Beetroot tartare and tuna with Jerusalem artichoke sauce 98香港ドル。

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イカ墨の風味たっぷりの黒と、ポレンタのフォームの白のコントラストが目と舌に楽しい、SEPA al nero。158香港ドル。

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程よく焼き上げたビーフに、ケーパーソース、ナスのロースト、トマト、ルッコラソースなどを添えて。Beef with caper sauce and Mediterranean eggplant 268香港ドル。

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SOHOからエスカレーターを降りて最初の目印がこの壁画。喜劇の主役たちが元気よく迎えてくれる。

ジャコモさんのこだわりを語る上で、絶対に欠かせないのがインテリアデザインです。SEPA全体のモチーフとして使われているのが、ベネチアを舞台にした18世紀イタリアの有名喜劇「The Servant of Two Masters」。

その主役4人の姿を描いたイラストが店内外のあちこちで目に入るのですが、よく見ると、例えば本来は帽子をかぶって棍棒を携えているはずの道化トルファルディーノが、鍋をかぶって木のスプーンを携え、なんと手にはイカをぶら下げています。実はイカは、ベネチアで愛されている食材で、SEPAもイタリア語でイカを意味するSEPPIAを由来にしているとか。


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よく見るとすべてSEPAのテーマに合わせて名人の手で作られた本物のベネチアンスタイルの書籍。

もう一つ、聞けば聞くほど驚くのが、ベネチアで何世代も続く職人に特注したオリジナルのデコレーション。例えばいきなり入り口の真鍮製ドアノブは、 1913年創業のベネチアの工房の作。そしてベネチアは、本の装幀と紙で古くから有名な土地。装幀名人の4代目アンセルモ・ポリエーロに依頼して制作した書籍には、金箔でSEPAに まつわる文字が飾られています。


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大建築に使われた立派な大理石のあまりを粉々にして再利用したタイルは典型的なバカロスタイル。

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SEPAに入る時に最初に握るこの真鍮のドアノブから、本物のベネチア製。

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店の奥にある密かな人気スポットのテラス。奥にはミニ農園も。

もちろん外のランプは、ベネチアのムラーノガラス。これも有名な職人に発注したもので、手造りのためすべて形が違います。コーヒーマシーンは1961年に作られたFaema E61 Legendを再生し、コーヒーはベネチアのアルチザンコーヒーブレンドを使用。こんな調子で、キッチンやバーの機材から、お手洗いの香水や石けんまで、ベネチアにまつわるストーリーが充満しています。ここまで来ると、まるで生きたベネチア博物館!

 

ハリボテではない本物に囲まれた中で、アジアの食文化を巧みに融合させた本格的なベネチアの味を、気軽に満喫できるSEPA。何も知らずに入ったとしても、素敵な雰囲気と食事を十分楽しめるはずですが、背景にあるこだわりを知ることで、ここで過ごす時間が、贅沢な食の航海に生まれ変わってくれそうです。

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喜劇の主役の1人、男装の麗人ビアトリーチェをイメージしたデコレーションは、男女二つのマスクがペアで並ぶ。

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ムラーノガラスのランプが映えるSEPAの入り口。61という番地もベネチアの建物に使われるフォントを使っているそう。

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ハムのスライス機のフェラーリと呼ばれるBerkel 9Hは手動のため、モーターのように熱でハムに火がわずかに通ったりすることなく、味が保たれる。

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